日本ブリーフサイコセラピー学会

日本ブリーフサイコセラピー学会
The Japanese Association of Brief Psychotherapy Annual Meeting

ワークショップ

7月27日(金) 13:00~18:00

本大会ではワークショップを企画しております。お申し込みの際は、申し込み書に第3希望まで必ずお書きください。申し込み状況により、受付を締め切るコースが出てくる場合がございますので、ご注意ください。

下記のワークショップは、参加者が定員に達したため申し込みを締め切りました。

2.未来をつくる学校臨床~“明日から活かせる「解決志向」の実践!”
3.解決志向アプローチの基礎―解決を育む会話の技法
5.taking up one’s worries as an invitation to dialogues
8.SCAT入門

大会ワークショップのご案内

1 ブリーフセラピー入門~効果的な臨床実践の「妙薬」を手に入れよう!
安江 高子(関内カウンセリングオフィス)/ 松島 淳(佐賀大学医学部精神医学講座)

「ブリーフセラピーを学ぶのは初めて」という方や、「少し勉強したことがあるけれど、よくわからない」という方向けのワークショップです。ブリーフセラピーの名のもと、本学会に集う人々が志向するアプローチや方法論は、実にさまざまです。しかし、そこにはブリーフ=効果的な臨床実践の下支えとなる、共通項が見出せます。この共通項を、ここでは「妙薬」と名付けてみます。この「妙薬」を手に入れたセラピストには、クライエントとの何気ない会話も、困難の打開や変化に通じる可能性があちこちに散りばめられた、まるで宝箱のような様相に一変します。それは、セラピストの自信や勇気を後押しし、臨床実践に取り組み続ける意欲をかき立ててくれる、そんな「妙薬」とも言えるでしょう。本ワークショップは、講義とワークを通じて、この「妙薬」をたっぷり体感していただく時間にしたいと考えています。

■会場:メルパルク京都4階 研修室3

2 未来をつくる学校臨床~“明日から活かせる「解決志向」の実践!”
黒沢 幸子(目白大学人間学部、KIDSカウンセリング・システム)

子どもは未来です。学校は、未来を育てる現場です。望む未来の姿を子どもとともに語り合うこと、持てる力・強みを見つけ合い、認めて伸ばすことこそが、多様な学校課題に対して問題や原因に焦点を当て続けるよりも、本当に役に立ちます。たとえば、原因/犯人探しのいじめ対応から、解決をつくっていくいじめ対応への変容です。
「誰もが通いたくなる学校/クラスでは、なにが起こっている?」「なりたい自分になっていたら、どうしている?」「仲間が安心して幸せにいられるために何ができる?」「そんな大変な中でもやれたのは?」「最近、少しでもうまくやれたことは?」「教職員/同僚がこれはいい感じと思えたことは?」
この研修では、解決志向を活かした学校実践やプログラム(クラスづくり、コンサルテーション等)を紹介し、ワークを織り交ぜながら、楽しく研修します。保護者、教員研修にも幅広く応用できます。参加者の価値ある実践も見つかるでしょう。スクールカウンセラー/心理・相談職、教員、養護教諭等々の皆様のご参加をお待ちします。きっと、明日から学校に行くのが楽しみになります。

■会場:メルパルク京都4階 研修室1

【締め切りました】

3 解決志向アプローチの基礎―解決を育む会話の技法
田中 ひな子(原宿カウンセリングセンター)

解決志向アプローチSolution Focused Approachは、問題や原因を追究するのではなく、クライエントのリソース(能力、強さ、可能性)に焦点を当て、それを有効に活用するブリーフセラピーです。シンプルな技法を用いてスムーズにクライエントとの協力関係を築き変化を育むことができるので、心理相談、教育、医療、産業、福祉、司法矯正、子育て支援など様々な領域で利用されています。このアプローチの特長は、「自分の意志ではなく強制的に来談させられたクライエントとの面接」や「短時間しか確保できない」、「面接回数が制限されている」、「関係者間で意見が対立している」といった臨床場面においても柔軟に対応できることです。
このWSでは、その理論と技法(質問とフィードバックの方法)を講義と演習を通して基礎から学びます。きっと明日からの臨床に役立つことでしょう。

■会場:メルパルク京都4階 研修室2

【締め切りました】

4 ブリーフセラピーの立場に立った臨床動作法の工夫
吉川 吉美(愛知学院大学心身科学部)

これまでの様々な臨床実践で見つけた技法をいろいろと紹介したいと思います。そしてその方法が現場で使えるかについて検討していただきたいと考えている。

■会場:メルパルク京都6階 会議室3

5 taking up one’s worries as an invitation to dialogues:
ダイアローグへの誘い(いざない)、自らのウォリーを取り上げること
白木 孝二(Nagoya Connect & Share)/ 長沼 葉月(首都大学東京)

「フィンランドからのもう一つの贈り物」として、Anticipation Dialogues(AD)への関心が高まってきていますが、私たちは、ADの全体像よりも、その一面である未来語りの部分(のみ)が注目を集め、強調されていることに、懸念(Worries)を抱いています。
AD実践では、”taking up one’s worries”と呼ばれるプロセスが、「未来語り」に至るまでの準備、足場として、またミーティングのコンテキストの構築のために極めて重要なのですが、このあたりがまだ十分に紹介、認識されていないように思うからです。
支援者が(自分の支援のあり方について)、自らのウォリー(心配・不安)を取り上げ、当事者や家族、関係者に対し、真摯にヘルプ (助力と協力)を求めることがAD実践では決定的に、~むしろ未来語りの部分よりも~重要なプロセスであることを、皆さんと共有したいと思っています。
ADの創始者であるTom Erik Arnkil からの最新ヴァージョン、そしてフィンランドのRovaniemi、Nurmijarviの自治体での実践から学んだことも含めて紹介する予定です。

■会場:メルパルク京都6階 会議室4

【締め切りました】

6 エリクソン催眠入門
津川 秀夫(吉備国際大学)

「20世紀最大の臨床家」と称せられたミルトン・H・エリクソン。エリクソンは、クライエント一人ひとりに合わせることを大切にし、病理や欠点よりもリソースに注目してセラピーや催眠を行いました。
このワークショップでは、エリクソン催眠の基礎について体系的にお伝えします。催眠について全くの初心者であっても心配は要りません。トランスの体験や暗示のつくり方に始まり、エリクソニアンの基本的な誘導ができることを目指していきます。互いの練習を通して、トランスの入り口が私たちのごく身近なところにあること、そして催眠誘導の原則が普段の(催眠を用いない)面接にもそのまま活用できること等を体感していただけるでしょう。
エリクソンや催眠に関心のある方はもちろん、ソリューション等のブリーフセラピーの実践家、コミュニケーション・スキルの向上を望む方・・・等々の参加をお待ちしています。

■会場:メルパルク京都4階 研修室5

7 “気になる子”とその教育の現場とつながるための気づきと対話を考える
滋野井 一博(龍谷大学文学部)/ 小正 浩徳(龍谷大学文学部)

教育現場で以前よく聞いた“気になる子”。最近は“発達障害がある(らしい)子”として聞くようになった気がします。教育現場からの依頼で行われる研修も、以前は“気になる子”と題されていたのが、最近は“発達障害”に代わったと感じています。皆さん、どう思われますか。
皆さんは教育現場からの“発達障害がある(らしい)子”のセラピーを引き受けた時、何を考えておられますか。こうした子たちについての研修を引き受けた時、どのような研修をされているのでしょうか。
本ワークショップでは、参加された皆さんの中にある臨床のリソースを集め、それを分かち合いたいと思っています。そして、教育現場の先生方の持つリソースに、先生方自身が気づくような方法を一緒に模索したいとも思っています。
さらには、“発達障害がある(らしい)子”たちが社会参加していくために、実はその子自身が持っているリソースに、周りが気づくことができるような方法はないのかと探ってみたいのです。
皆さんの“ウチ”にあるリソースの“言の葉”を“ソト”へと一緒に出しあう、そんなワークショップを一緒に作ってみませんか。

■会場:メルパルク京都6階 会議室5

8 SCAT入門
大谷 尚(名古屋大学)/ 安藤 りか(名古屋学院大学)

(注:本ワークショップの参加申し込みは学会員のみとさせていただきます)

SCATは、マトリクスの中にセグメント化したデータを記述し,そのそれぞれに、〈1〉 データの中の着目すべき語句、〈2〉それを言いかえるためのデータ外の語句、〈3〉それを説明するための語句、〈4〉そこから浮き上がるテーマ・構成概念、の順にコードを考えて付していく4 ステップのコーディングと、〈4〉のテーマ・構成概念を紡いでストーリーラインを記述し、そこから理論記述を行う手続きとからなる、明示的で定式的な手続による分析手法です。SCATは、分析過程が視覚化されるために妥当性確認を行いやすく、かつ比較的小規模のデータにも適用可能な、初学者にも着手しやすい手法です。しかし、分析過程に脱文脈化(〈1〉-〈4〉)と再文脈化(ストーリーラインと理論記述)の過程を有しており、深い分析に活用できるとともに、理論を導きやすい分析手法です。SCATはこれまで国際学術誌英文論文7、博士論文17、修士論文33を含むあらゆる領域の500以上の研究で使われています。なお、WS参加者には事前学習課題が与えられます。

■会場:龍谷大学清風館3階 合同研究室

9 文脈の重要性理解から ラインbyラインで分析の初歩までーEMCA入門ー
樫田 美雄(神戸市看護大学看護学部)

本ワークショップでは,時間内に以下の3つのことを達成する。第一に,意味というものが,パッケージ化されたカプセル状のものではなく,文脈に依存した場面的なものであることを確認すること。第二に,場面には日常場面と制度的場面があり,制度的場面には固有のコミュニケーション上の特徴が存在している場合が多いこと(例:授業場面,医療場面ほか)を確認すること,そして,さいごに第三に,文脈は,繊細なものであって発話の一行ごとに変化するものであること。したがって,ビデオデータや録音データでその変化の様相を確認して,自らの感受性の感度を上げておくことが実践家には求められるだろうこと。この3点である。予習には,前田泰樹ほか『エスノメソドロジー』(新曜社),フランシス&ヘスター『エスノメソドロジーへの招待』(ナカニシヤ出版),ヘリテッジ&メイナード編『診療場面のコミュニケーション』(勁草書房)の3冊が有用である。購入が望ましいが,事前購入と読解がなくても受講は可能である。

■会場:龍谷大学清和館3階ホール

(以上、敬称略)

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