基調講演
7月28日(土)
京言葉から考える日本語のコミュニケーション
[講師]
森山卓郎
早稲田大学文学学術院教授、京都教育大学名誉教授
[講師略歴]
1960年、京都府生まれ。1982年京都教育大学卒、1985年大阪大学大学院文学研究科博士課程修了、大阪大学助手を経て、1987年「日本語動詞述語文の表現類型に関する研究」で博士号取得。1988年同大学講師、1990年京都教育大学助教授、2004年同教授、2008年より附属幼稚園長の兼任を経て、2012年より早稲田大学文学学術院教授、京都教育大学名誉教授。
著書に『表現を味わうための日本語文法』(岩波書店、2002年)、『コミュニケーション力をみがく 日本語表現の戦略』(日本放送出版協会 NHKブックス 2003)、『コミュニケーションの日本語』(岩波ジュニア新書 2004)、『国語教育の新常識』(共著・明治図書 2010)、『日本語の〈書き〉方』(岩波ジュニア新書 2013)など多数。
[基調講演内容]
日本語には、地方ごとの豊かな言葉のバリエーション、すなわち方言があります。どの方言も、極めて貴重な言葉の伝統であり、また、その地方の生活に根ざした文化でもあります。
京都市の方言(京言葉)は関西方言の一つですが、千年の都の地であること、今の共通語とは違うことなどの特性があり、日本語のコミュニケーションについて考えるにあたって、一つの興味深い視座を与えてくれます。
今回は、京言葉の発音が示す文化の重み、京言葉の文法から見えてくる言語の多様性やその奥にある論理性、京言葉の語彙から考える文化との関わり、京言葉の運用論的な観点から見る「京都的気配り」など、様々な切り口から、京言葉を取り上げてみたいと思います。そして、そこから、言語の多様性、言葉と文化の関わり、表現と意味解釈の問題など、コミュニケーションを支える「日本語」の重要性と面白さを検討できればと思います。
基調講演の後、森山先生を中心に「京都なんでも講座」(仮題)を企画しております。